健康教室バックナンバー

講師 笠原千秋 氏(TJK健康運動指導士)

運動+生活活動で1日1時間以上、体を動かす!


2日目の後半は、TJK健康運動指導士による講義と実技体験が行われました。
身体活動というと、ウォーキングやジョギングなどの運動を思い浮かべますが、それ以外にも、日常的な歩行や階段の上り下り、犬の散歩、家事といった生活活動も身体活動に含まれるとのこと。それらをトータルして、1日1時間以上の活発な身体活動を行うことを目標にするといいそうです。また、生活習慣病の予防や改善のためには、以下を目標に運動を行うとよいとのことです。

〈生活習慣病予防・改善のための運動の目標〉

頻度できれば毎日、少なくとも週に3~5回
20~60分
強度中等度(ややきついと感じるくらい)
種類全身を使った有酸素運動

「ただし、運動の必要量は個人の基礎体力、年齢、体重、健康状態によって異なるため、自分に合った運動を選んで行うようにしましょう。また、運動には大きく分けて、有酸素運動、筋力運動、柔軟運動があり、それぞれ得られる効果が異なるので、自分が求める効果に合わせて種目を選ぶとよいでしょう」と、健康運動指導士の笠原さん。それぞれの運動効果を以下にまとめたので、参考にしてください。

  • ●有酸素運動(ウォーキング、マラソン、エアロビクス、水泳など)
    体内のエネルギーを燃焼させる、心肺機能を高める、血管の弾力性を増す、血圧を正常に保つ など
  • ●筋力運動(腹筋運動、マシントレーニング、ダンベルなど)
    正しい姿勢をつくる、筋力をつける、基礎代謝量をアップする など
  • ●柔軟運動(ストレッチ)
    可動域を広げる(けがの予防にもつながる)、血行をよくする、疲労回復を促す、心身の緊張をやわらげる、筋肉の凝りやだるさを解消する、気分をリラックスさせる など

また、1日の身体活動量を無理なくふやすための方法として、以下のようなアドバイスがありました。

  • 昼食は外に食べに行き、昼休みに歩く時間をつくる
  • 駅や社内で積極的に階段を使う
  • 仕事や家事の合間にこまめにストレッチなどを行う(トータルで1日5分を目標に)
  • 土曜日はウォーキングを30分、体操を10分行う
  • 日曜日は集中的に掃除をする(掃除機かけ、床ふき、風呂掃除などを1時間ほどかけて行う)

ウォーキングはフォームを意識すると効果がさらにアップ

誰でも気軽にチャレンジできる運動の代表ともいえるのが、ウォーキングです。
「ウォーキングは、正しいフォームで行うことで、より高い運動効果を得ることができます。以下の正しいウォーキングフォームを参考に、最初はこの中から1つだけ意識して行い、慣れてきたらさらに別のポイントを意識する、ということをくり返し、徐々に理想のフォームに近づけていきましょう」とのことなので、ぜひ実践してみてください。

ウォーキングフォーム

そして、運動の前後には必ずウォーミングアップとクーリングダウンを行うことも大切です。ウォーミングアップはけがの予防になるだけでなく、その日の自分の体調を確認する、という意味でもとても大事であり、クーリングダウンは疲労回復にもつながるとのことです。

この日の実技体験では、参加者全員で「彫刻の森美術館」へと移動し、さわやかな秋晴れのもと、ウォーキングを体験しました。参加者のみなさんは、美しい紅葉やさまざまな屋外彫刻を鑑賞しながら、思い思いにウォーキングを楽しんでいらっしゃいました。
本格的にスポーツを始めるとなるとハードルが高くなってしまいますが、ウォーキングならいつでもどこでも行うことができます。健康づくりの第一歩として、ぜひ日々の生活の中にウォーキングを取り入れてみてください。

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