平成23年7月25日(月)、TJKプラザ(東京都千代田区)の多目的ホールにおいて、第102回健康教室を開催しました。今回は、『中国伝統医学の知恵とメンタルヘルスの観点から学ぶ健康ライフ ~気・心・体~』と題しまして、瀬尾港二先生と山﨑友丈先生を講師にお招きしました。山﨑先生には、メンタルヘルスの観点から見た心と体のバランスやストレスについて、瀬尾先生には、健康な暮らしのために役立つ中国伝統医学の知恵について、ご講演いただきました。

第1部

「メンタルヘルスから見た心と体のバランスやストレス」

●講師 山﨑 友丈 氏
●講師 山﨑 友丈 氏

日本大学大学院卒業、順天堂大学精神科勤務を経て87年より現職。現在EAP(従業員支援プログラム)を中心に多くの企業のメンタルヘルス支援の指導、社内研修、講演に多忙を極める。豊かな経験をふまえた実践的で明快な指導で好評を博している。アメリカニューポート大学心理学部助教授。マインメンタルヘルス研究所所長。TJKメンタルヘルスセンター所長。
産業精神保健学会認定産業精神保健専門職。臨床心理士。

東日本大震災以来、非常に心のバランスを崩す方が増えています。
 その症状の一つが、いわゆる下船病。実際には揺れていないのに、いつも揺れているような感じがする、という人が非常に多いのです。
職場に行けないという人もいます。オフィスが11階、12階だったりすると会社には入れない、という方がずいぶん増えています。さらに、パニック障害の人も増えています。また、統計をとりますと、不眠を訴える人、血圧が上昇する人も増えています。
 このように、あの震災以来、自律神経のバランスを崩す方が非常に多くなってきているんですね。
今の医学というのは非常に分業化されていて、眼科は眼科、耳鼻科は耳鼻科というふうに、細かく分かれています。でも本来、人間というのは、目は目、耳は耳、鼻は鼻というふうに単純に分けられるものではないのではないか。人間にとって、トータル的なバランスというのがすごく大切なんじゃないか、とずっと以前から思っていたのです。

今、アメリカでは、「不整脈が出て、動悸がする」というと即、うつ病と診断するんです。
 なぜこうなったかというと、これまでこういう人たちは内科を受診していたんですね。でも、内科に行っても全然治らない。本当は、肉体的なものではなくて、精神的なものではないか、ということで、最初から精神科が診ようという動きがアメリカで起きているんです。
体のバランスというのは、非常に大切なのです。
実は、心の問題を抱えている人というのは、まず最初、体からくるんです。自分自身で自覚できていないだけであって、実は体から始まっているんです。体の不調を抱えている人は、そこから心の方にいくケースが非常に多い。ところが、最初の段階の体調不良、ここを見逃してしまう人が少なくないんですね。
 たとえば、過敏性腸症候群。これは、うつの始まりとしておこることが非常に多いのです。
朝起きて、出かけようとするとトイレに行きたくてしょうがない。なんとか出かけても、今度は電車に乗るとトイレに行きたくなる。そのうち、急行や快速には乗れなくなり、いつでも降りられるように各駅停車に乗る。ところが、だんだん各駅停車に乗るのも辛くなり、しまいには家からも出られなくなる。そして、次第に気分が沈んでうつになる──といった経過をたどるわけです。でも本人は、最初のサインである体調不良に気づいていないんですね。
 「そもそものきっかけは、意欲がなくて、集中できなくて、それで会社に行けなくなったんです」という方にも、よくよく話を聞いてみると、
「そういえば、便秘と下痢を繰り返していた時期がありました」と、こうくるんです。
「そういえば」というんですよ。
 このように、心と体は一体であって、最初はまず、体の変化から現れてくる。これがとても大切なことなのです。
 そう考えると、「不整脈があって動悸がすれば、うつ病と診断する」というアメリカの話も、なんとなく納得できるような気がしませんか?

このバランスというのは、環境が変わったときに崩れやすい傾向にあります。環境が変わってだいたい3~6ヵ月経ったころ、これが疲労のピークなんですね。この疲労のピークのときに、実は体の不調を訴えるのです。
自律神経のバランスが崩れることによっておこる自律神経症状には、頭痛、動悸、吐き気、めまい、発熱、発汗があります。そう、風邪によく似た症状なのです。
職場で1年間休職して、復職してきた人がいたとします。とりあえず短縮勤務から始めてみたものの、1週間くらい経ったころ、なんか様子がおかしい。どうしたのかと尋ねてみると、
「ちょっと風邪をひきまして。37度くらいの微熱があって、なんだか頭がすっきりしないし、ときどき、吐き気もあるんです」
 これこそがまさに“風邪様症状”で、自律神経のバランスが崩れているんですね。
 そんなとき、私どもが問診する際には、「汗をかきませんか?」と尋ねます。
「あ、よく寝汗をかきます」といった場合には、自律神経のバランスが崩れている可能性が高いです。疲労がバランスを崩しているんですね。

ストレスに深く関わる2つの自律神経

私たちの体には、神経が2種類あります。一つは体性神経、もう一つは自律神経。体性神経は運動神経や感覚神経で、これは我々の意思で動くものです。ストレスと関係あるのは、自律神経のほうです。自律神経にも2つあって、交感神経と副交感神経があります。
 どういう役割をするかというと、交感神経は活動神経で、副交感神経は抑制神経です。この交感神経と副交感神経とのバランスで、私たちは生活をしているわけです。このバランスが崩れると、自律神経が失調状態になります。
 あとで瀬尾先生からもお話があると思いますが、中国医学では陽と陰の関係として扱われています。交感神経が陽で、副交感神経が陰。このバランスが非常に大切なんですね。
交感神経が優位な人は、血圧が高くなったり、循環器系の疾患が多いです。一方、副交感神経が優位な人は、胃腸障害になりやすい傾向があります。

メンタルヘルスには二つあって、予防と治療、この二つの面から考えていったほうがよいのではと思っています。
私は産業医の研修会をやっていて、以前、メンタルヘルスの講座では、どの時点で休職させて、どの時点で復職させるのか、というのを教えていました。今はそんなことは教えていません。今は、いかに病気をしないようにするか、そのための指導をしっかりしてください、と教えています。
 これからの労働衛生というのは、病気をした人をどうするかというよりも、病気をしない組織づくり、ここをしっかり産業医が会社と一緒になって考えてください、そう指導しています。
近年、発達障害の人もすごく増えてきています。100人に7人という割合ですから、みなさんの企業にもたぶんいらっしゃると思います。
今は、仕事が細分化されて、発達障害の人が適応しにくくなっていますが、なかには素晴らしい能力を持った人もいます。そういう人たちをどのように育てていくかというのも、今後のテーマになるだろうと思います。

これからどういうふうにしてメンタルヘルスを考えていくか。そのうえで重要となるのが、一つは予防、そしてもう一つがケアです。そういう観点から、みなさんじっくりとメンタルヘルスについて、ご自身の組織について考えていただけたらと思います。

第2部

「中国伝統医学の知恵に学ぶ現代日本人の健康ライフ ~気・心・体~」

●講師 瀬尾 港二 氏
●講師 瀬尾 港二 氏

宮崎県生まれ。国際基督教大学を卒業後、85年北京へ留学。92年北京中医学院(現:北京中医薬大学)鍼灸推拿学部を卒業、中医師資格を取得。同学院付属東帰国後、東京衛生学園専門学校卒業。はり師、灸師、あん摩マッサージ指圧師資格取得。学校法人後藤学園に勤務し、附属はりきゅう臨床施設院長を務める。退職後、2010年4月よりアキュサリュート高輪を開設。
アキュサリュート高輪 公式ホームページ http://www.acu-salut.jp

中国伝統医学の根本は、陰陽の調和です。陰陽というとなんだか難しそうですが、何も難しいことはありません。陰というのは冷やす力。そして、陽というのは温める力になります。
 たとえば、風邪をひいて熱が38度あるというときは、陽が多すぎる、つまり陽亢(ようこう)の状態です。逆に、寒いところで雨にあたって、お腹が冷えて下痢をしているという場合は、陰が多すぎる、陰盛の状態です。
 また、陽は適正な状態だけど冷やす力が足りないという場合を、陰虚の状態といいます。その逆で、陰は適正な状態だけど温める力が足りない場合を、陽虚の状態といいます。
 では、自分はどのタイプにあてはまるのか。手足が冷えやすく寒がりだという人は寒のタイプ、暑がりで手足がほてりやすく、寝汗をかくという人は熱のタイプになります。そうした体質的なものもありますが、たとえば、いつもは寒がりなんだけれど、風邪をひいて熱が38度あるというときには、熱のタイプになります。このように、そのときどきでタイプは変わるので、それに応じて対策をとらなければいけないわけです。

一般に、陰陽で分けると、男性は陽、女性は陰になります。ですから、圧倒的に冷え症の人というのは女性に多いのです。この陰陽のバランスがうまくとれていればいいのですが、バランスが崩れてしまった場合、どうしたらいいか。
自分の体の中に冷房と暖房があると考えてみてください。夏の暑い日には、外は陽がすごく強い状態なので、部屋の中を陰にするために冷房を入れます。これと同じように、私たちの体も、夏になれば自然と冷房が入るような体になるのです。これを調節しているのが、自律神経です。
 ところが、元々冷やす力の足りない陰虚のタイプの人というのは、冷房の効きが悪いため、いつも暑がりの状態なのです。では、そういう人はどうしたらよいのでしょう。
 いくら冷房を入れても、効きが悪くて部屋がいっこうに涼しくならないというとき、みなさんはどうしますか? 扇風機をかけたり、冷たい水を飲んだり、服を脱いだりしますよね。これらの行為はすべて、陰の行為なのです。行動にも陰陽があるんですね。
 このように、足りないものを何かで補うことで陰陽のバランスをとる。これが治療の大原則なのです。「熱いものは冷やせ、冷えているものは温めろ」という、非常に単純明快なことなのです。

現代人というのは、特にメンタル系でいいますと、陽が非常に多くなっています。交感神経が非常に強く働く形になっているのです。
体は疲れているのに、働けといわれる。休みたくても休めない状態が続くと、疲労感を忘れさせるために、無理やり交感神経を優位にして興奮させ、脳内の麻薬物質を出させて、疲労感を飛ばすわけです。
 「疲労感」と「疲労」は別物であって、疲労を飛ばすために一番重要なのは寝ることです。ところが、十分な睡眠もとらず、疲労感だけを忘れさせて無理を続けていると、やがて副交感神経のスイッチが入らなくなってしまいます。すると、今度は眠りたくても眠れなくなってしまうのです。眠らないと疲労はとれないので、疲労はたまる一方。そして、いよいよもう限界となったときに、うつの状態になるわけです。
 このとき、体のだるさを吹き飛ばすために筋トレに行ったり、気晴らしをしようとパチンコや競馬に行ったりする人がいますが、それは間違いです。なぜなら、これらは陽の行動だからです。
 そのような状態になった人にとって必要なのは陰なので、運動をするにしてもヨガや太極拳など緩やかな動きのものにするとか、温泉に行ってゆったりするのが正解です。音楽も、ロックなど激しいものではなく、静かな音楽を聴くべきなのです。

食べ物にも陰と陽、寒性と熱性があります。ショウガや唐辛子を食べると体が温まりますが、これらは陽=熱性の食べ物です。ニガウリなど、夏にとれるものは体を冷やすもの、つまり陰=寒性の食べ物が多いです。例外はありますが、暑いところでとれるものは冷やすもの、寒いところでとれるものは温めるものが多いという傾向にあります。
(※注:マクロビオティックでも陰陽という考え方がありますが、伝統的な中国医学の考え方とは異なります)

陰陽という考え方は、伝統的な栄養学のなかでも一番重要なものです。自分の体質がどうなのかということ、そして、食べ物の寒熱の性質を知ることはとても大切です。そして、特に重要なのは、「体に合わないものはやめましょう」ということです。
 たとえば、私は陰虚、熱のタイプなのですが、ニンニクをひとかけらでも食べると、カッカカッカして夜眠れないんです。このように、体に合わないものというのは、すぐに反応として出ます。
逆に、体に合うものというのは、その効能が現れるまでに時間がかかります。冷え症の人が体を温めるためにショウガを食べても、体質を改善するまでにはけっこう時間がかかります。
 ですから、体に合わないものをやめるというのは、すごく大事なのです。

風邪にも熱タイプと寒タイプがある

漢方薬を飲むときも、どのタイプにあてはまるかを見極めて、そのときの状態に合わせて飲まなければいけません。風邪をひいたら葛根湯(かっこんとう)、というのは西洋医学的な飲み方です。
実は、風邪にも2種類あって、熱のタイプの風邪と、寒のタイプの風邪があります。それぞれ症状が異なり、黄色い鼻水で、のどが腫れて痛い、38度以上熱があるという場合は熱のタイプの風邪です。一方、寒気がする、鼻水は透明か白、のどがかゆいという場合は寒のタイプの風邪になります。そして、熱のタイプの風邪は冷まして邪気を追い出す、寒のタイプの風邪は温めて邪気を追い出す、というように対策も違います。
葛根湯は温めるタイプの薬なので、寒タイプの風邪のひき始めでゾクゾクするというときには合っています。一方、熱タイプの風邪に適しているのが、天津感冒片(てんしんかんぼうへん)。この2つを常備しておいて、飲み分けてみるといいと思います。
気をつけたいのが、出張などで、まったく気候が違う土地に行く場合。たとえば、日本が真冬の時期にオーストラリアへ行くと、あちらは真夏ですよね。冬の間の体は、寒さが入らないように閉め切っている状態ですから、そのまま暑いところへ行ってしまうと、汗をかけなくて熱がこもってしまい、熱タイプの風邪をひきやすくなるのです。そんなときには、ハッカがお勧めです。なんかぼーっとするというときは、ペパーミント系のものを口にしたり、ハーブオイルを水に溶かして飲んだりするとよいでしょう。
逆に、夏の時期に寒い場所へ行くと、体は明け透けの状態なので、すぐに風邪をひいてしまいます。そのときには、葛根湯を持っていくと予防になります。
夏場、冷房が苦手だという人には、シナモンがお勧めです。お茶も、体を冷やす緑茶ではなく、温めてくれる紅茶にし、そこに黒砂糖とシナモンパウダーを入れて飲むとよいでしょう。

男性の方に注意していただきたいのが、精力剤です。これは非常に効くのですが、ものすごく陽が強いのです。
 こういうものを飲みたがる人というのは、陰の足りない人が多いのです。車でいえば、ラジエーターの水が入っていない状態。そこにガソリンとなる精力剤を注いで無理やり燃やしたら、やがてパキッと割れますよね。これは非常に危険ですので、絶対にやめてください。命に関わる危険性もあります。値段の高いものほど危険です。
 ごくまれに、一時的に使う分にはまだよいのですが、常用することは絶対に避けてください。

次に、心の問題を中医学ではどのようにとらえるかについてお話しします。
中医学では、体の働きの中に心の働きがある、というふうにいいます。心は体の一部である、と考えるのです。
特に、メンタルに関係するのが、肝と心と脾です。肝臓、心臓、脾臓ですが、機能を重視し、働きを中心とした考え方です。

心の働きは、血流と精神活動に関わっています。心の機能が弱まると、動悸、イライラ、心痛、不眠、多夢、健忘、狂躁などの症状が現れます。
心がどの程度弱っているかは、経絡につながる体表面のツボで見ることができます。
膻中(だんちゅう)というツボで、ちょうど胸の真ん中あたりにあります。そこを指で押してみたとき、痛いという人は心が弱っている可能性があります。もう一つ、腕の内側をもんでみて、右より左の方が硬くて痛いという人も、すでに影響が出ています。おそらく、眠りが浅いとか、早朝覚醒といった睡眠障害が現れているのではないでしょうか。

次に、肝です。これも気血の流れをよくする作用がありますが、もう一つ、感情を調節するという作用があります。肝が弱まると、怒りやすい、イライラ、お腹の張りや痛みといった症状が現れます。女性ですと、生理前に胸が張ったりします。
精神的ストレスにも2つあります。仕事が忙しくて考えなければならないことが多量にあるなど、思考からくるストレスに関係するのが心。それに対し、肝の方は、人間関係など感情に関わるストレスに関係しています。

そしてもう一つが、脾。脾というのは後方支援をする臓器で、心と肝に気血の補給をしています。心も肝も栄養を必要としますが、脾が弱ると後方支援ができないので、心と肝が動かなくなってしまいます。なので、ある意味、非常に重要な臓器です。
脾が弱まると、くよくよ思うようになります。脾というのは消化に関わっているので、ここが弱ると栄養分を吸収できません。また、水や脂肪の代謝にも関わっているのが脾です。

メンタルと五臓は密接につながっている

強いストレス、継続的なストレスなどがあると、肝は感情の流れをうまくさばくことができなくなります。肝は、気血を流すステーション的な役割をしていますから、その肝が弱ると、気血の流れが滞ってしまいます。
 うつうつとした状態が長く続くと、のぼせとかイライラ感など、熱の症状が頭の方に出てきます。すると、この熱で体の中のラジエーターの水が消耗されて、陰虚の状態になります。陰虚の典型的な症状が、寝汗と手足のほてり。さらに、イライラして不眠になります。
 そして、くよくよ思っていると、脾が弱ります。そうすると、後方支援がされず栄養が行き届かないので、心と肝がエネルギー不足になります。
 このように、心の働き、いわゆるメンタルというのは、体の五臓の働きに関わっている、というのが中国伝統医学の考え方なのです。つまり、五臓の働きが悪くならないようにすることが重要なのです。

臓腑が弱ると、まず経絡に滞りが出ます。刺激して痛いということは、そこの気が滞っているということなので、それを流してやることが大切です。
気の流れをよくする方法としては、はり、灸、あん摩、気功があります。はりは、自律神経の働きを調整する効果が期待できるということで、メンタルの分野でも使われ始めていて、効果があがっています。
今回はその中から、気功をご紹介したいと思います。乾坤三才樁(けんこんさんさいとう)という気功です。体を緊張させてからフワッと緩めることで、経絡の通りを良くすることができます。

足を肩幅に開き、左右の足が平行になるようにして立ち、ひざを軽く緩める(ひざ頭がつま先を越えないように注意)。両腕を真上に持ち上げてひじをしっかり伸ばし、手のひらを天井に向けて伸びをする。ひざもしっかり伸ばす。

力を抜いてゆっくり両腕をおろし、手のひらを地面に向けて、腕をピンと伸ばす。ひざは軽く曲げる。

ひざを伸ばして、胸の前で合唱し、ひざを軽く曲げながら、両腕を真横に開く。呼吸は、上への動作時と閉じる動作時は鼻から息を吸う。下への動作時と開く動作時は口から息を吐く。1~3を8回繰り返す。

気功には、調身(体を整える)、調息(呼吸で整える)、調心(イメージで整える)という3つの要素があります。なかでも、この調息によって自律神経を訓練しているのではないかといわれています。
吸う息というのは交感神経を優位にし、吐く息は副交感神経を優位にします。陰陽でいうと、吸う息は陽、吐く息は陰になります。ですから、気持ちを落ち着かせたいとき、リラックスしたいときには、吐く息を長めにするとよいでしょう。5秒吸ったら10秒吐く、という具合に、吐くほうを2倍にするように意識してみてください。昔から重要視されてきた呼吸法を、ぜひ日常でも取り入れていただけたらと思います。

第3部

質疑応答

最後に、参加者からの質問に対して瀬尾先生、山﨑先生にお応えいただき、第102回健康教室は終了しました。

お問い合わせ先:東京都情報サービス産業健康保険組合 健康管理グループ TEL 03-3360-5951
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