海外療養費とは

 日本国内で医療機関等を受診するときは、「健康保険証」を医療機関の窓口へ提示することでかかった医療費のうち3割または2割の自己負担で済むこととなっています。しかし、海外では「健康保険証」を提示することができないため、海外渡航中に急な病気等でやむを得ず現地の医療機関を受診した場合は、海外で支払った医療費から自己負担相当分を差し引いた額を「海外療養費」として請求することができます。
 なお、「海外療養費」として支給される金額は年齢や所得により異なります(【支給割合】参照)。

支給割合

対象者 負担割合
0歳~小学校就学前 費用の8割
小学校就学~69歳 費用の7割
70歳~74歳 現役並み所得者(※1) 費用の7割
一般(※2) 費用の8割
  • 標準報酬月額28万円以上の被保険者とその被扶養者
  • 所得区分が「一般」で、平成26年4月1日までに70歳の誕生日を迎えた方(昭和19年4月1日までに生まれた方)の負担割合は特例措置により1割となります。

支給対象となるのは日本国内で保険診療として認められているものに限ります

 「海外療養費」として請求することができるのは、日本国内で健康保険が適用される医療費(保険診療)に限ります。そのため、美容整形やインプラントなど、日本国内で保険診療とならない医療行為や投薬を受けた場合、その医療費は全額自己負担となり「海外療養費」として請求することはできません。

支給対象となる主な例

  • 海外旅行中にカゼをひき現地の医療機関を受診した
  • 海外赴任中に急病にかかり現地の医療機関を受診した など

海外療養費の支給対象外である主な例

  • 業務上・通勤途上の災害による病気やケガ
  • 治療を目的として海外へ渡航し、治療を受けた場合
  • 日本国内で保険診療とならない医療費、差額ベット代、食事代等
  • 美容整形
  • 高価な歯科材料や歯列矯正、インプラント等
  • 出産(自然分娩)
  • 交通事故やケンカなど第三者行為による病気やケガ

支給額は日本国内で同じ治療を受けた場合の医療費を基準とします

 「海外療養費」の支給額は海外でみなさまが実際に支払った額の7割または8割をお支払いするものではなく、日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額(実際に海外で支払った額のほうが低いときはその額)から自己負担相当額(患者負担分)を差し引いた額です。
 なお、外貨で支払われた医療費については、支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて円に換算し支給額を算出します。

!ご注意ください!

  • 日本と海外では医療体制や治療方法等が異なるため、海外でみなさまが実際に支払った総額から自己負担相当額を差し引いた額よりも、「海外療養費」の支給額が大幅に少なくなることがあります。
自己負担分と海外療養費の割合

手続き方法

【渡航前】添付書類を印刷し、渡航先へ持参する

 以下の書類は、現地で診察を行った医師に直接証明をいただく書類です。
 帰国後に現地の医師へ証明を依頼することが困難なことが多いため、事前に印刷しておき渡航先へ持参しましょう。

〔医科を受診するとき〕

〔歯科を受診するとき〕

  • 証明が依頼できない等の理由で添付書類が不足する場合は「海外療養費」を請求することはできません。
  • 海外渡航中に、やむを得ず現地で治療を受けた場合は下記の申請手順に沿ってご請求ください。
    下記の申請する際の注意事項を併せてご参照ください。

【帰国後】申請書を印刷し記入する。添付書類を用意する。

TJKへの提出書類

Ⅱ 海外受診 本人 家族 療養費 一部負担還元金 家族療養費付加金 支給申請書

添付書類

【医科で受診したとき】
【歯科で受診したとき】
  • 歯科診療内容明細書(様式C)
  • 領収書(原本)
  • 領収書の翻訳文
    ※フリーフォーマットで作成してください。
  • 海外の医療機関等に対して照会を行うことの同意書
  • 受診者の海外渡航期間が確認できる書類
    (受診期間における渡航の事実を確認させていただくため、以下のいずれかを添付してください。)
    ・パスポートのコピー(①氏名・顔写真と②当該期間の出入国スタンプのページ)
    ・航空チケットのコピー(eチケット控えを含む)

申請する際の注意事項

  • 黒ボールペンでご記入ください。(文字の消せるボールペン不可)

医科① 診療内容明細書(様式A)について

  • 現地で診察を行った医師に直接証明をいただく書類で、診療の内容・傷病名・症状等が記載された証明書です。
  • 医師に証明を依頼する際は「健康保険国際疾病分類表」を渡し、4.「傷病名及び健康保険国際疾病分類番号」欄に忘れずに証明を受けてください。
  • 各月ごと、受診者ごと、医療機関ごと、入院、外来ごとに1枚ずつ必要です。

医科② 領収明細書(様式B)について

  • 現地で診察を行った医師に直接証明をいただく書類で、医療費の内訳が記載された証明書です。
  • 各月ごと、受診者ごと、医療機関ごと、入院、外来ごとに1枚ずつ必要です。

歯科① 歯科診療内容明細書(様式C)について

  • 現地で診察を行った医師に直接証明をいただく書類で、診療の内容・傷病名・症状等が記載された証明書です。
  • 各月ごと、受診者ごと、医療機関ごと、入院、外来ごとに1枚ずつ必要です。

医科③・歯科② 領収書(原本)について

  • 海外の医療機関で交付された領収書の原本です。
  • 紛失や破棄で添付できない場合や領収書のコピーを添付している場合は請求できません。
    必ず領収書の原本を添付してください。

医科④・歯科③ 添付書類に対する翻訳文について

  • 診療内容明細書(様式A)、領収明細書(様式B)の翻訳文はTJKの様式をご使用ください。
  • 歯科診療内容明細書(様式C)の翻訳文は不要です。
  • 「領収書」の翻訳文はフリーフォーマットで作成してください。
  • 翻訳文には翻訳者の住所・氏名を記入してください(本人による翻訳も可)。

医科⑤・歯科④ 海外の医療機関等に対して照会を行うことの同意書について

  • 申請内容、診療内容について海外の医療機関へ事実調査を行うための同意書です。
  • 被保険者の氏名で同意のうえご提出ください。

医科⑥・歯科⑤ 受診者の海外渡航期間が確認できる書類

(受診期間における渡航の事実を確認させていただくため、以下のいずれかを添付してください。)
・パスポートのコピー(①氏名・顔写真と②当該期間の出入国スタンプのページ)
・航空チケットのコピー(eチケット控えを含む)

保険給付金の振込先について

申請書下段「給付金振込先選択欄」の希望する振込先に☑を記入して下さい 。

  • 自宅にプリンターがないなど申請書の印刷ができないときは下記お問い合わせ先までご連絡ください。郵送またはFAXで申請書をお送りします。

申請書と添付書類を郵送または組合窓口へ提出する。

提出先

下記へ郵送または窓口へ直接ご提出ください。

  • 会社へお勤めの方は会社を経由せずに直接TJKへ申請いただけますが、下記【会社へお勤めの方へ】を参照ください。

【会社へお勤めの方へ】

給付金の受取先を「会社振込」にご協力いただいた場合、TJKから会社の「給付金専用口座」へ振り込み、会社からみなさまへ給付金の振り分けをお願いしております。
申請書の提出状況を把握するため、会社から「会社を経由して申請書を提出」するよう指示がある場合は、TJKではなく会社へ提出していただきますようお願いいたします。

TJKへ提出後、3~4週間程度でお振込いたします。
給付額等については郵送します「給付金支給決定通知書」をご確認ください。

  • 上記は書類に不備がない場合の振込目安です。記入や添付書類が不足する場合は振込までにお時間がかかる場合があります。
  • 「給付金支給決定通知書」は振込日当日以降、郵送で届きます。
    受取先に会社を指定した場合は会社へ、個人口座を指定した場合はご自宅へ郵送します。
  • 郵送で申請する場合は点線で切り取り宛名としてお使いいただけます。
  • 普通郵便・簡易書留等について当組合からの指定はございません。いずれも受付しております。

よくあるご質問

Q1
海外旅行中に病気になったため、現地の医療機関を受診し医療費を全額自己負担しました。「海外療養費」を請求することができますか。
A1

「海外療養費」を請求することができます。手続き方法を参考にお手続きください。

Q2
海外出張中にホテルから会社へ向かう途中でケガをしました。現地の医療機関で医療費を全額自己負担したため、「海外療養費」を請求することができますか。
A2

業務上や通勤途上の災害による病気やケガは、日本国内と同様に健康保険の対象外です。お勤めの事業所を管轄する労働基準監督署へお問い合わせください。

Q3
海外で治療を受けるために渡航しました。現地の医療機関で医療費を全額自己負担しましたが、「海外療養費」を請求することができますか。
A3

治療を目的として海外へ渡航し、治療を受けた場合は健康保険の対象外です。医療費は全額自己負担となります。

Q4
診療内容明細書(様式A)と領収明細書(様式B)を持たずに海外へ渡航し、やむを得ず海外の病院で診療を受けました。「海外療養費」を請求することはできますか。
A4

診療内容明細書(様式A)、領収明細書(様式B)は日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を算出するために必要な書類で、現地の医師に証明を依頼する必要があります。書類が用意できない場合は「海外療養費」を請求することはできないため、帰国後に現地の医師へ証明を依頼することが現実的に困難であるときは、事前に印刷し渡航先へ持参してください。

 また、海外は自由診療のため、海外で医療機関を受診する場合、日本国内と同じ病気やケガでも国や医療機関によって請求額が大きく異なります。「海外療養費」の支給額は、みなさまが実際に支払った総額から自己負担相当額を差し引いた額よりも支給額が大幅に少なくなる場合があります。
 必要に応じて、民間の海外旅行保険等へ加入し、万が一の医療費負担を軽減しましょう。

Q5
民間の海外旅行保険に入っていたため、保険会社から保険金が給付されました。併せて「海外療養費」を請求することはできますか。
A5

民間の海外旅行保険から保険金が給付される場合であっても「海外療養費」を請求することができます。
手続き方法はこちらをご参照ください。

お問い合わせ先

東京都情報サービス産業健康保険組合
給付グループ
〒102-8017 東京都千代田区富士見1-12-8 TJKプラザ
TEL 03-3239-9817 FAX 03-3239-9735

不服の申し立て・時効

不服の申し立て・時効については、こちらをご覧ください。