TJK 東京都情報サービス産業健康保険組合 健康管理委員NEWS
健康教室バックナンバー

第112回健康教室 今、企業に求められていること 〜社員の健康管理〜

 平成26年11月20日(木)〜21日(金)、直営保養所「TJK箱根の森」において、第112回健康教室を開催しました。
 今回は宿泊型で、1日目は(株)TNヘルスプロジェクト代表取締役の永田孝行氏を講師にお招きし、「今、企業に求められていること 〜社員の健康管理〜」についてご講演いただきました。
 2日目はTJKの保健師、管理栄養士により、1日目の永田氏の講演を受けて、具体的な健診結果の見方や健診結果を活用した生活習慣病予防について実践的な講演を行いました。その様子をレポートします。

第二部

「人間ドックの活用法
 〜生活習慣を見直し、動脈硬化を予防しよう!〜」

講師 城戸典子(TJK東中野保健センター 保健師)

 前半は、TJKの保健師による講演が行われました。そのなかから、胃がんリスク検査と動脈硬化についての話を紹介します。

胃がんリスク検査について

 胃がんリスク検査は、血液検査によって胃がんのリスクを調べる検査で、TJKではオプションで受けることができます。チェックする項目は2つあり、1つめがピロリ菌への感染の有無を調べるピロリ菌抗体検査です。ピロリ菌とは、胃の中に住み着くことで胃粘膜を委縮させ、胃炎をおこしてしまうものです。ピロリ菌への感染をくり返すことで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの発生に深く関与していると考えられています。
 そして、2つめがペプシノーゲンT・T Uの比率で、これによって胃粘膜の萎縮度をみています。胃がんリスク検査では、この2つの項目を掛け合わせることにより、次の4段階に分類します。

<オプション:胃がんリスク検査(血液検査)>
ピロリ菌抗体検査 → ピロリ菌感染の有無
ペプシノーゲンT・T Uの比率 → 胃粘膜萎縮度

結果

ABC分類 A群 B群 C群 D群
ピロリ菌
ペプシノーゲン値
胃がんの危険度  
胃の健康度 健康な胃粘膜。
胃粘膜萎縮の可能性は非常に低い
胃潰瘍に注意。
少数ながら胃がんの可能性も。
胃粘膜の萎縮がない、または軽い
慢性萎縮性胃炎。
胃粘膜萎縮が進んでいる
胃がんの可能性。
胃粘膜萎縮が進みすぎ、ピロリ菌が胃に住めず退却

(日本胃がん予知・診断・治療研究機構 より)

 ピロリ菌に感染している方におすすめしているのが、除菌です。除菌することにより、胃がんのリスクは低くなるといわれています。当センターでも紹介状を出していますので、B群以上になった場合は、ぜひ受診してください。


動脈硬化について

 動脈硬化とは、全身に血液を送る血管(動脈)にコレステロールがたまり、血液の通り道が狭くなった状態をいいます。動脈硬化は老化現象の一種といわれており、10歳前後からすでに動脈硬化は進行しています。
 コレステロールがたまると、血管の壁が厚く、硬くなります。すると、血液が流れるときに心臓に負担がかかるため、心肥大や心不全、高血圧などにつながります。また、血液がうまく流れないと、臓器に栄養が行きわたらないため、臓器が正しく機能しなくなったり、組織自体が死んでしまったりします。さらに、血栓ができて、血管が詰まってしまう場合もあります。その結果、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、くも膜下出血などを引き起こします。このように、動脈硬化は命に関わる病気を招く危険が非常に高いのです。
 動脈硬化をおこしたり、進行させたりする危険因子には、次のようなものがあります。

  • 病気
    (高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、高尿酸血症)
  • 生活習慣
    (喫煙、摂取エネルギー過多、コレステロールや動物性脂肪の多い食事、ストレス、運動不足)
  • 加齢

 このうち、とくにリスクが高いのが、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙の5つで、これを「危険5因子」と呼んでいます。こうした危険因子を除去するためには、次のようなことを心がけることが大切です。

<危険因子を除去するために>

  • 腹八分目
  • 塩分を控える
  • 動物性脂肪摂取を減らす
  • 夜食を控える
  • 食物繊維を多く摂る
  • ゆっくりよくかんで食べる
  • アルコールはほどほどに
  • 禁煙する
  • 有酸素運動をする
  • ストレス対策をする
  • 良質の睡眠をとる

 食事をするときは、ひと口につき30回かむのが理想ですが、時間がないなどの理由で、なかなか実践できない方も多いと思います。その場合は、1食のうち最初の5口だけ30回しっかりかんで、そのあとはいつも通り食べる、という方法を試してみてください。それだけでも、かむ習慣が身につくと思います。
 運動も、まとまった時間がとれない場合は、通勤時間などを利用して5分だけ歩くなど、短時間でもいいので体を動かすことを意識してみてください。おすすめなのは、何かをしながら運動をすることです。たとえば、歯磨きをしながらその場で足踏みしたり、屈伸したり、といった具合です。とくに、ももを上げる運動は、お腹周りをへこませるのに非常に効果的です。


血管年齢を測定してみよう

 「メディカルアナライザー」という機械を使い、一人ずつ血管年齢の測定を体験しました。血管年齢や血管の老化度合いを測定することで、自分の健康状態を知る一つの目安になります。
 また、その待ち時間を利用して、次のような体験も行いました。

◇自分に合った運動強度を知る
 2人1組になり、一人が実施者、一人がタイムキーパーになります。

  1. まず、1分間の脈拍を測定する。
  2. 2分間その場で足踏みをする。
  3. 再度、1分間の脈拍を測定する。

 平常時と運動後の脈拍を比較することで、自分に合った運動強度を知ることができます。運動強度は、次の数値を目安にしてください。

220 − 年齢= 最大心拍数(目安)
ダイエット目的で運動をする場合…最大心拍数の60〜70%
持久力アップ目的で運動をする場合…最大心拍数の70〜80%

 まずは、最大心拍数の50〜70%程度を目標に運動を始めましょう。

◇ふだんの咀嚼回数を知る
 2人1組になり、一人が実施者、一人がタイムキーパーになります。

<1回目>

  1. 実施者は、ふだん通りにガムを10回かむ。
  2. タイムキーパーはその時間を計る。
  3. 実施者は、10回かんだ後のガムの硬さと味の感覚を確認する。

<2回目>

  1. 実施者は、ふだん通りにガムを30回かむ。
  2. タイムキーパーはその時間を計る。
  3. 実施者は、30回かんだ後のガムの硬さと味の感覚を確認する。

 ふだん食事をするとき、どの程度の回数かんでいるか、かむ回数によって食べ物の硬さや味がどのように変化するか、などを確認することができました。

 その後、TJKの専門検診についての説明があり、前半は終了しました。

 

第二部 「生活習慣を見直して、動脈硬化を予防しよう」へ進む

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